◎Waste not,want not.〜無駄なければ不足なし〜 |
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◎一言にレーシングカートとは言っても、様々な種類が存在します。
ここではごく一般的なレーシングカートについてご説明しましょう。
◆エンジンは空冷2サイクル。
排気量はわずか100CC。しかし、排気量1リットル当たりの馬力はチューニングクラスになると300馬力前後。
3000CCで900馬力のF1の1リットル当たりの馬力は300馬力。
小柄なモンスターマシンです。
◆変速機(ミッション)やクラッチはありません。
つまり1枚のギアがチェーンを介してエンジンとダイレクトで繋がっています。
タイヤの回転が止まればエンジンも止まる。
逆に、タイヤを回転させてやることでエンジンをかけてあげます。
カートではこの『押しがけ』方式が主流です。
◆右足でアクセルペダルを、左足でブレーキペダルを操作します。
一見すると違和感がありますが、意外とすぐ慣れちゃいます
◆ブレーキはリヤ(後輪)だけ。
通常4輪全てにブレーキがついているのが「車」ってものですが、カートでは後輪に一つだけしかありません。
◆デファレンシャルギアはありません。
これは普通の車では必ずついているモノで、カーブを曲がるときの内輪と外輪の回転差を吸収する装置ですが、カートの後輪は右と左が一本の鉄の棒(シャフト)で繋がっています。この構造では、理論的に「無理なくスムーズに曲がる」には不向きなのですが、何気ないこの単純な構造の意味を理解しなければ、ベストなセッティングを見つけることは出来ません。
◆サスペンションもありません。
自動車についていてカートについていないのが、サスペンションです。
写真中に赤や青の鉄製のパイプが見えますが、これが【フレーム】と呼ばれる、レーシングカートの車体本体です。
この「フレームのしなり」や、前述の「リアシャフトのしなり」、カートを構成する部品同士の「結合部分の緩み」などが、サスペンションの代わりとして機能します。
これもまた、その構造的意味を理解できなければベストセッティングを見つけることは出来ません。
◆燃料はガソリンと2サイクルエンジン用オイルの混合油です。
まるで草刈機のようです。ガソリンとオイルの混合比もセッティングの大切な1要素です。
◆ステアリング(ハンドル)は1回転もしません。
カートでは『全てがダイレクト』のセオリー通り、ステアリングもダイレクト。ほんの10度ほど切るだけで、場合によってはスピンしてしまうほどにタイヤはダイレクトに向きを変えます。
端から見ていると「カートはカーブを曲がっているのに、ハンドルは切っていない」ように見えることがあります。
◆晴れ用タイヤと雨用タイヤがあります。
レインタイヤはドライ路面で使うとアッという間にタイヤがボロボロになってしまいます。
そのくらい軟らかいゴムでできています。
逆にドライタイヤをレイン路面で使うと...
たとえあのシューマッハでも予選落ちしてしまうでしょう! |
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↑ 赤い金属製パイプの骨組みが
カートの車体(フレーム) |
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↑ 1枚のギアがチェーンで
エンジン直結 |
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↑ ブレーキはこの1箇所だけ |
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↑ 使用前 |
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↑ 1レース使用後 |
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