カントク直伝カート講座

 皆さんこんにちは。
エンジンのオーバーホールの際、「ホーニング」や「ボーリング」という言葉を耳にすると思いますが、皆さんはこれらの事をきちんと理解していますか?

「ショップで言われたから....。」で済ませていませんか?
きちんと理解していただく為に、今回はそのお話。

 まず、シリンダーの断面をイメージして、図aをご覧ください。
ピストンの周動面はエンジンの稼動と共に、偏磨耗や歪によって、真っ直ぐではなくなってしまいます。


これを真っ直ぐに修整する作業が「ホーニング」であったり、「ボーリング」であったりするわけです。

 図b.ホーニングの場合、専用の砥石を使用してシリンダー面の傷や軽度の偏磨耗を整えます。
ベース面に対しての垂直度は無視され、磨耗したシリンダーなりの表面修整となります。


 図c.ボーリングの場合、ベース面に対して、垂直にシリンダーを固定し、刃物を使ってシリンダーを削り直します。
若干サイズが上がってしまう為、シリンダーの寿命は縮まりますが、シリンダーのピストン周動面はリフレッシュされます。


 よく、ボーリングでわざとサイズアップさせた方が若干でも排気量が大きくなり、パワーアップする等の説があります...。
理論上では確かにコンマ数ccの排気量アップにはなります。

しかし、実際の出力に影響する程のものではありませんので、その為にボーリングに出さなくてもいいと思います。

また、ボーリングを繰り返していけば、シリンダーは最終サイズを越え、レギュレーションの排気量を超えてしまい、レースで使用出来なくなります。

カントク直伝カート講座TOPに戻る