カントク直伝カート講座

いや〜、PRDカップは今年も盛り上がりましたね〜。
改造禁止のワンメイククラスも、あの台数、あのレベルになると難しいですね〜。
そこで、感じたことをひとつ...。
「速いドライバーではなく、強いドライバーになりましょう」
「強いドライバー」というのは、バトルの際のことだけではありません。
トラブルに直面した際に冷静に、瞬時に対処できる能力を持った「精神的に長けたドライバー」であることが重要だということです。

そのためには「分析能力」及び「対応能力」を磨く必要があるでしょう。

例えば「リヤが滑る」と感じてもその原因は何通りもあるものです。
フロントが原因で起こるテールスライドなのか、単にリヤのグリップ不足が原因なのかetc...
それを修正する為のセッティング項目を的確に見つけ出し、次のヒートまでに修正しなければなりません。

また、「エンジンが回らない」といっても、足りないのはどの回転域で、その原因はキャブレターなのか、エンジン自体なのか、スプロケットや排気長などのセッティング部分なのか、それともコーナーリングに問題があるのか...。

原因となる部分を冷静に判断できなければ、問題を解消することは出来ないのです。
レース中であれば、その問題からくるトラブルを、最小限に押さえる為のアイディアが浮かばなければいけません。
時には、レースをしながら走りのスタイルを変えるという事も必要でしょう。

そうすることによって、ラップでコンマ2秒のトラブルがコンマ1秒で収まれば、それが「全力を尽くした」ということになるのです。


ドライバーの仕事というのは「運転」するだけではないのです。
常にマシンの各部に気を配りながらドライブし、マシンに動く為のきっかけを自分が与えるとそれに対してマシンはどのように反応しているか、「解ろう解ろう」としなければいつまでたっても解らないままです。
タイムを出そう出そうとムキになって走るよりも、「どうしてここがうまくいかないんだろう」と考えながら走る癖をつけることがまず第1歩です。

そうすれば、おのずと走りのレベルも上がってくるはずです。

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