カントク直伝カート講座

 みなさんこんにちは。近頃、パドック内でこんな話をよく耳にします。
「ストレートで抜かれた、ストレートで伸びていないんだ。スプロケットを小さくしよう!」
この話を聞いて、みなさんはどう思いますか?
 これと同じような考えをしていた貴方、どうやら、カートのセッティングや走り方についての考え方が根本的に偏っているかも知れません。

 まず、「ストレートで抜かれた」場合、自分の動力系(エンジン、ギヤ比etc)を考える前に、自分のコーナーリングについて考えてみてください。

 ストレート手前の最終コーナー。自分のコーナーリングワークでは時速70qで立ち上がってくるのが精一杯だとします。
ところがライバルは時速73qで立ち上がれるとすれば....抜かれても当然だと思いませんか!?

つまり、こんな時はスプロケットよりも走り方の研究や、シャーシーセットについて考えるべきでしょう。KT-SやK55等、ワンメイクエンジンのクラスならなおさらです。
もし、スプロケットで対処するとすれば、スプロケットは1丁程大きくするべきでしょう。なぜなら「自分はライバルよりもストレートが短い」からです。
こんな場合に「スプロケットを小さく」してしまえば、コーナーを立ち上がってからの回転の上昇が鈍くなり、ストレートでエンジンの有効回転域を使い切る前に、次のコーナーが来ることになる為、ストレートスピードは更に落ち、もっと悪い状態になる事も考えられます。
もし本当に「ストレートで伸びていない」のならば、「キャブレターの調整」や「ブレーキが擦っていないか」等、各部を再チェックすべきでしょう。

スプロケットが2丁も3丁(レシオが0.2〜0.3)も違わない限り、それが原因と考えるのは難しいと思います。

「どうやっても、やっぱり伸びない」という貴方、それはもう、エンジンの寿命かもしれません。オーバーホールするなど、適切な対処をオススメします。

 最後に、スプロケットの枚数を気にする前に、「タイヤの外周」を測っていますか?外周で1p違えば、スプロケットも約1丁(レシオで0.1程度)違うことになります。
つまり別のタイヤに履き替えて、外周が約1p大きくなったら、リヤスプロケットも1丁程度大きくしないと、同じギヤ比にはならないということを頭に入れておきましょう。

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